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両手にしゃもじを持ったらば

5次槍弓、腐女子向け小説サークル「両手にしゃもじ」です。意味がわからない方はお戻りくださいませ。 主にオフライン情報や通販のお知らせや日々のつぶやきです。

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メイプルシロップ妄想、短いです。
スーパーでおいしそうな茶褐色のものを見るとこんな妄想が走り抜けていく私の頭はもうどうかしているんですが、何を見てもまあ槍弓に変換されるのは自分でももう笑うしかない。
今年の春なんてね、最寄り駅にたむろっているハトぽっぽのオスがメスを追いかけまわしてるのすら槍弓変換してうっすら笑ってたよ…相方に話したら相方もうっすら笑ってたよ…。
蒼い首をぶわっとふくらまして白黒ブチのアーチャーバト(靖国神社の白鳩を母にもつドバト)を追いかける青みがかったランサーバト(もとエリートレース鳩)…「なあなあオレのタマゴ産めよ~なあ~」「やめろ鬱陶しい!というか私はオスだと言っとろうが頭わるいのか貴様いい加減にしろー!!」「えー」みたいな。みたい…な…。はははすいませんうっすら笑って気の毒そうに見るのやめて。

ではナチュラルにカップルな槍弓の日常inスーパーは「続きを読む」からどうぞ。短いですが。

拍手[49回]











「どうしたランサー、何か欲しいものがあるのかね」
「いやあ…これさ…」
「メイプルシロップ? ウチにあるだろう、わざわざこんな高いものを買わんでも、時臣氏がお中元にくれたいいやつがまだある。あと君が最近気に入りの、グレナデンシロップもまだ」
「いやいや、そういうことじゃなくてよ。その~…なんだ、この、色がさ」
「色?」
「まるでお前の肌みてえだなってごふう!?」
「ご近所のスーパーの中で何をほざいているのだこのたわけめが!!!」
「ご近所のスーパーの中で流血沙汰起こすんじゃねえよそっちの方がもう来られなくなんだろが!!」
「うっ…!」
「痛ててててて。あっ大丈夫です、コイツの肘がちょっとぶつかっちっただけなんで。はいケンカじゃないですオレたち仲良しなんで何しろこいび」
「ごほっおほんごほん!!」
「いえ仲良しトモダチなんでちょっとしたスキンシップだし今のはホントぶつかっちっただけですご心配かけましてどーも」
「………」
「顔逸らしてんじゃねーよ全く。ほら行くぞ」
「も、もとはと言えば君が悪いのではないか」
「そーだなオレが悪かったよハイハイ。ほら今日は何にするんだ?荷物持ってやっから」
「……うむ…。今日は暑いのでな、熱を通さないメインがいいかと思うのだが」
「ほうほう」
「マグロがいいのが入っているようなので、マグロとアボカドで丼ものとかどうだろう。アボカド好きだったろう、君」
「ああアレ、こってりしてて美味いよな」
「白身魚で冷や汁というのもいいが…もっと猛暑になってからのほうがいいか。君は何か食べたいものはないのかね?シロップ以外で?」
「こだわんなよアレはつい見てただけだって。激辛の赤いモン以外ならなんでもいい。お前の作るメシは何でも美味いから、そうだ今度マーボーも作ってみてくれよ」
「え…大丈夫なのかね君、自害にはまだ早いのではないか」
「早いってなんだよいずれはさせる気なのかよ。つかむしろお前の作ったヤツ食えば、トラウマが克服される気がするんだよ」
「ほう、それではマーボー茄子でも作ろうか。あまり辛くせずに素材の味が活きるようにして」
「あ、なんか聞いてるだけで美味そう」
「しかし今夜はマグロだ」
「あ、そう…すがすがしいほどきっぱり言い切ったな」
「値段の割にいいものが入っているのだから、これを買わん手はあるまい。あとは何にするかな…イワシをソテーにするのもいいか…冷たいものばかりではからだに良くないし…どうせ君は帰ったらビールでも飲むのだろうからつまみに…」
 鮮魚コーナーを睨んで、アーチャーがぶつくさ言っている。ご近所の奥さま方が187センチのガチムチ褐色男に寄ってきて、「アーチャーさんこのお魚の鮮度がいいのはどれかしら」とか目利きを頼んだりしている。魚を見るために頭を下げたアーチャーのうなじがあらわになって、ランサーはごくり、と喉を鳴らした。さっき見かけた、シンプルな瓶に入った高級メイプルシロップの色は彼の肌色にそっくりだったが、本物が最も美味そうに決まっている。
 あれこれと食材やレシピを逡巡するのは、何だかんだで同居しているランサーひとりだけのためだ。自分のために、バランスのとれた美味しい献立を考える嫁は本当に可愛い。
 夏になれば周囲に合わせて薄手の半袖シャツを纏うアーチャーは、その褐色の張りのある肌の露出度が高くなってランサーは気が気でない。その立派なからだと艶やかな肌が、若い女から年配の奥さま、そして男の目まで惹いてやまないことをランサーは知っている。
 そんなことを当人に忠告したところで、「何を言っているランサー、寝ぼけているのか」などと逆に(頭を)心配されて終わりになるだけだから、こうして時間を作ってはなるべく一緒に出掛けるようにして、ランサーは周囲を警戒し牽制しているのだ。
 そうして己が腕に囲い込み、己がものにだけする価値が彼にあるからなのに、アーチャーは自分自身の価値など何ひとつわかっちゃいないのだからタチが悪い。
「今晩はたっぷりいただくとするかな」
「マグロをかね?」
 首を傾げた仕草さえエロ可愛かった朴念仁は、それではこちらの柵にするか…と、カゴの中に入れたマグロのパックをより多いグラム数のパックに取り替えた。
 ランサーはそれを見て笑い、ふいとアーチャーに近づいて、まるで偶然といわんばかりに耳元をかすめざまに低く囁く。
「ああ…楽しみにしてるぜ、エミヤ」
「―――ッ!」
 凄まじい勢いで身を引いたアーチャーはランサーを振り返り、そしてかあああ…と見事に耳まで染め上げて悪戯な男を睨んだ。
「きっ…さま、……今夜のデザートは無しだッ!!」
「ええー、それはイヤだなあ…なあ、オレが悪かったよ謝るからさ」
「貴様の謝罪は聞き飽きた!」
「だあってよ、お前があんまり…いや、何でもない」
「…貴様がシロップを眺めているから…今夜は頂き物のメイプルシロップでメイプルミルクプリンなど作ってみようかと思ったのに」
「何それ名前聞くだけで美味そうなんだけど」
「貴様の分は無しだ!」
「ええー!?そんな殺生な…なあごめん、ごめんて、アーチャー、アーチャーさあん、頼むからよう~」
 図体はでかいのに子犬が耳と尻尾を垂らしてきゅんきゅん強請り泣きをしているように見えて、アーチャーはようやく吊り上げていた眦を緩めた。
「…仕方がないな…ではもうオイタはせずに、大人しく荷物持ちに徹していろ、いいな?」
「わかりました」
 キリッ、と敬礼せんばかりに姿勢を正して頷く蒼い英霊に、思わず小さく噴き出してしまったアーチャーは慌てて背を向ける。
 小さな笑顔をまともに見たランサーが、一瞬呆然とした後急いで後をついてくる。何故だか熱い気がする顔が早く冷めてくれるのを願いながら、アーチャーはプリンを作るべく牛乳のある売り場へと急いだ。



おそまつさまでした!
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プロフィール

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潮香
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性別:
女性
趣味:
腐妄想
自己紹介:
5次赤弓さんにはあはあする成人女子。ツイッターはコチラ
もっぱら脳内で繰り広げられる妄想に耐え切れず、時々文章にして垂れ流している。
最近ではマーベル映画と今さらながらにジョ〇ョの承太郎さんにもハマっている。どうしてこう高身長でムキムキで低音ボイスの男ばかりなのか。

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